2023を振り返る

今年の初めはとにかく肥料価格・資材・燃料と、作物を作る時に必要な全ての値上がりから始まった。正直、春の段階で儲けがほとんど無いか赤字が確定していた。

どう考えても、市場価格に生産コストを上乗せする事は農家側からはできない。

結果生産コストは上がっても、収入単価は変わらない。実際この予想は当たるべくして当たった。

栽培に関しては、春作業はそこまで問題なく出来たし、稲、野菜共に大きな失敗もなくそれなりに順調だったと思う。ただ一つハーブの苗を作ったは良いけど植える時間と環境を用意できずに植えれなかった事は痛かった。

妻が引退農家から一部引き継いだ「ニラ」が5月中旬から取れ始め、直売で好調な売れ行きだった事は体験的にも収益にも良い収穫だった(直売でニラ出品者が何故かいない)、新鮮なニラの美味しさを知れたし、我が家の食事もさらに美味しくなった。(^○^)

と7月までは2022年より良い感じに進んだとと思う。大雨の影響も当地区は大きくなかったが、秋田市などの最下流は物凄い被害が出た。

今年から始めた夏白菜は「本当に」虫がすごかった。予想はしていたけど、予想以上に凄かった。本当に農薬がなかったら全滅確実だった。「売れないとか売る品質までいかない」とかでは無い「食べるところがない」くらい虫に喰われる。

改めて安定的に葉物野菜を育てているプロ農家の凄さを知った。本当にすごいと思う。

とはいえ7月までの稲の生育も野菜たちも順調だったと思う。出品品質も良かった。

問題は8月に入ってからだった。連日灼熱、熱帯夜。本当に朝しか仕事ができない。後は暑過ぎて命がけの作業になる感じだった。他品目栽培をしていると、基本的に収穫はは朝に集中する、管理作業は夕方という形が通常だったけど今年は夕方も作業できる気温になってくれなかった。

8月に入ってから植える予定だった秋冬野菜は基本夕方作業となるけど、昼に熱された土は高温で植えた先から根が焼けていく。水をかけても土が暑過ぎてお湯になって根が死んでしまう。しかも植えた後の水やりでも同じことが起こる(T . T)。

唯一被害が出ない朝は収穫で作業ができない。

ということで秋冬野菜はやめました(^◇^;)結果的に正解だったと今でも思います。

稲の方も暑い時は水をかけ流して地温を下げますが、雨が降らないので基本的に水不足だし、こちらも土が熱されて、水を入れて溜まる頃にはお湯のようになる感じでした。通常なら夏場はそんなに水が必要な時期ではありませんが、水が行き届かなく枯れてしまっている稲も多くみました。この段階で「あ〜今年の米の品質は悪いなぁ」という予想は出来ていましたね。

当然、8月に入ってからの菜果もよくなかった。こんなに暑くても虫は来る(こいつらは言った何なんだ強すぎる)枝豆は7月の大雨で根が弱って、8月の猛暑に耐えられなかった感じがする。秋になるにつれて正品率が下がったし、2〜3品種は収穫を諦めた。主力の秋枝豆がほぼ全滅したのは本当にキツかった〜。

トウモロコシ は流石!大量の日光を吸収して元気に育った。後半物は私の管理不足もあってほとんど採れなかったけど・・・・ホワイトコーン だけで10品種やったので、食べ比べできて楽しかった(^○^)

今年登場した「大和ルージュ(朱いとうもろこし)」は収穫のタイミングと「満点、青空レストラン」の放送が重なり、良い感じに売れた(^○^)、品質的にも良いものが採れたと思う。味も思ったより美味しいトウモロコシ でした。

9月、稲の収穫最盛期、最も忙しく最も時間のない時期。刈り取り予定は9/5日そして当主が3日にOVID-19(新型コロナ)にかかり、作業開始が12日まで伸びたT_T 

そのご、雨続き、本当に雨の合間に稲刈りする感じ。結局まとまっ晴れが無いまま冬になった気がする。後半は8月に乾きまくった田んぼも柔らかくなる程降った。コレって結構普通じゃ無いんですよ(・_・;

それでも当家は「自販米」を降雨前に刈り終えていたので、火力乾燥をほとんど使わず乾燥できたことは幸運でした。

その後の市場出荷米は結構苦労したなぁ・・・

結果として、我が家「自販米は1等米」になった。ちなみに市場出荷米は2等でしたf^_^;。

今年の1等米比率が県全体で50%前後、我が家の地域の農協全体では驚きの2%。品種別も公表されていますが、我が家で栽培している品種は栽培者と面積が少ないので公表範囲に無いのでわかりませんんでした。

地元農協に聞いた限りでは、秋のきらめきが

1等23%

2等35%

3等15%

淡雪こまちは生産者がおそらく1〜2名程で1等米100%だったようです。

やっとコロナが収束して、コレからと言う年に今度は・・・・困った物です。

そんな中でも、一等米を貰えるお米を作り出せたのは、良い自信になりましたし、周りの関係者からもお褒めの言葉を貰えました。何よりお米を買ってくれいる方々に今年も良いお米を届けることが出来る状態に出来たことが嬉しいです。秋のきらめきも復活しましたしね!

今年を総括して

2022年に比べお米の品質は残念なら落ちています。正直当家の淡雪こまちの目指す特性としては2022年産米の方が格段に狙いに通りのお米です。

(玄米食用米としては、2023年産淡雪こまちの方が食べやすく感じます。

白米の淡雪こまちを買いたい方。2022年産米おすすめですよ(^_^)

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品質は下がりましたが、2022年に比べて収穫量は良くなりましたし、市場価格も戻ってきました。

菜果も直売を中心にしている当家としては希望価格を付けやすい状況になってきているので嬉しいですね。

ただ今年は天候の影響が本当に強烈な年でした。後半の菜果はほぼ壊滅と言ってもいいほどで、資材、燃料、機械の値上がりもあって全体の収益としては下がっていて、とても厳しいです。それでも何とか生活できているのは、支払いを延ばしてくれている協力者の方々と母の農業外収入のおかげです。本当に母には感謝しています。

周囲の方々や、仲間には作業が追いつかづ、管理不足による雑草問題や作業補助で迷惑をおかけしています。そして助けてもらっています。本当に感謝です。

最後に当家をごひいきにしてくださっている皆様。ありがとうございます。市場ではなく直接皆様に届けることができている楽しみは、当家当主の作業の励みとやりがいになっています。どうか今後ともよろしくお願いいたします。

そして、お近くに我が家の農産物に興味がありそうな方に当家をお知らせいただけると嬉しいです。応援していただける人数が多いほどいろんなことに挑戦できます。そして「次世代」につなげていけるようになり、安定的に長くそしてより良い物を届けることが出来るようになります。ご協力お願いいたしますm( __ __ )m

今年ももう終わりとなります皆様にとって良い年越し、そして良い年始にになりますように。餅には気をつけてね!(^_^)

 

農家・坂長 7代目当主 坂本 長宏

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