2023我が家の農薬使い方
我が家では販売先、作付け地、品目によって農薬への考え方が変わっていますが、できるだけ買ってくれる人に納得、理解して買って欲しいので、全ての作目の使用農薬をホームページで公表しています。
「農薬は用法用量を守っている限り心配するほどの危険性がない」と知っているからこそ、あなたが自分で調べられるように、そして同業者や新しく農業を始める人、栽培を始める人への資料として使ってもらえることも期待して公表しています。
そもそも、農薬被害は使っている私たち農家一番ヤバいはずで、農家が元気である事が農薬の安全性の証明の一つではないかと思います。(農薬より、お酒で体を壊してる人の方が私の周りには多い。f^_^;みんなおすごく酒好きだもん)
農薬に対しての良い、悪いの意見は、どちらも偏っているものは悪いし、みんなが見て調べられる資料を出してくれない物も悪い。
どちらかに偏っている話と発信者の感覚だけの話は気を付けてください。
我が家の農薬の話
我が家のお米は、業者向けの一般的栽培方と直売用の栽培法で農薬の使用率が変わっています。菜果の方は全く同じというか、市場出荷基準で直売で全量販売しています。
何が違うんでしょう?
業者納品米
業者向けの場合、市場変動性だけど価格が等級で決まります。最高等級米をどれだけ量を出せるかで収入が決まります。なので等級品質と収量のギリギリを攻めます。ギリギリを責めると病気にかかりやすくなるので、予防を、予防で予防しきれなかった時は治療をします。
そして、等級は外観品質で決まります。味や農薬、その他は関係ありませんが、農薬は抜き打ち検査があります。(brand米は農薬の規制と残留農薬検査を行なってる物もあります)
害虫被害は等級が下がる大きな原因の一つです。なので被害を出さないために殺虫、防虫します。
※赤字の部分が農薬使用箇所です
※等級は店で売れる物、売れた物、苦情から基準設定された物です。艶、色、粒ぞろい、カケ、割れ、害虫被害、未熟米などの見た目の基準で決まります。以上の見た目基準で一定以上の味と稲の管理良さが判断できます。
直売米
等級は最高等級を目指しますが、自分で価格を決められるので、ゆとりを持って栽培できます。
稲の間隔を開けて風通しを良くしたり、収量に重要な時期に合わせた肥料まきや肥料計画をしなくていいため、有機肥料のようなゆっくり平均して効く方法が使えて、稲に大きな負担をかけない、病気になりにくい環境で栽培できます。だからこそ、農薬を必要最低限で抑えられるんです。
現在ではすっごい高価だけど、色彩選別機という機械があって、害虫被害のあったお米、色が悪いお米などを取ってくれます。「買えれば」殺虫剤も使わずに済むようになります。(被害米が取られて減る分と機械利用分、お米の値段は上がります)
有機肥料栽培で多収と農薬
有機肥料の場合、化学肥料ほど肥料成分の吸収のされ方が予想できません。与えすぎると思ったところと違うところで一気に栄養が出て病気にかかったり、倒れやすくなったり、めちゃくちゃ味が落ちたりする危険性の方が高くなると思います。有機肥料栽培の場合。一定の品質を一定量無理しないで作るという方法が全体的に良いと思います。(参考までに)
業者向け&直売共通。
育苗(種から苗の間)期間に関しては、種の殺菌、床土(種を巻く土)殺菌、病気の予防を行っています。田植え前の期間はやり直す時間がなく失敗=1年の栽培停止そして廃業となる可能性があるためです。
菜果は?
基本的には、市場出荷基準に添って栽培しています。
当家で栽培している。玉蜀黍(とうもろこし) 、枝豆(えだまめ)、玉菜(キャベツ)、白菜、など(さらに詳しくは下記リンクへ)は、本当に虫、獣被害がすごい事と、稲を育てながら菜果も育てていくためには農薬の助け無くしてはとてもじゃないけど栽培できません。それほど虫と獣はよく食べるんです。(・_・;
違いといえば肥料と土壌改良材、植える密度です。経験を積み安定して作れるようになった時は、農薬を抑えた栽培もできるかもしれませんが、今は通常の栽培で一定量提供できるようになる事、そして味に注力します。
余談
農薬が悪者化している事で、農薬を隠す(隠したくなる)傾向が農家にも強くなってる?
原因として「農家の農薬に対する知識不足」があると思います。効果、効能はわかっているけどそれ以外は知らないんです。実際、栽培するだけなら効果効能が分かれば情報としては十分です。それは私たちの体に使う「薬」を例にするとわかりやすい
みんな風邪薬とか成分まで見て選んだりしてる?
私はしてないf^_^;
喉の痛みに一番効くとか、鼻水に効くとか、熱に効くとかという効果、効能「だけ」見ると思う。その他の知識があったとしても宣伝で「有効成分〜が効く」という言葉をそのまま受け入れてるだけ。農家の農薬に対する知識も全くいっしょ!
そうです
農家の農薬に対する知識は一般の方と大きく違わないのです。だから、一般の方と同じ情報に流されてしまうし、反論もできない。その上、売り文句としての効果がすごいから、感覚的には「そこまで問題ないんだけどなぁ」と思いながらも流されていく
私たちの飲む薬だって用法容量をまちがえれば毒になることはみんな知ってる。農薬も同じ!重要なのは用法容量なんです。
現在では、過去の悪かったところも含めて改善されてますし、「薬」と同じく、農薬メーカーも効果、効能、人体、環境と試験と検証を繰り返して、国の認可を受けて販売していますし、成分表記もしています。何より私たち農家が毎年使用しているので、健康被害が出る場合は農家が一番最初に出ます。(出なきゃおかしい)実際の、農家年配者の元気は私異常なのではないか?私があの年に本当にあの動きができるのか?と思わされるほどです。しかも私たちより明らかに、お酒やタバコの量も多いです。恐らくですが、農家の健康被害は農薬よりお酒やタバコの方が多いのではないかと思っちゃいますf^_^;
何はともあれ、農家も一般の方も情報は偏りなく、「危ないという側」と「大丈夫という側」の両方の意見を聞いてもらいたいと思います。重要なのは「みんなが見れる、情報元のはっきりしている情報を選ぶ」事です。
お勧めの情報先はThink and Grow Ricciです。しっかり調べられる情報のリンクもあるし、中間の目線から記事を書いてくれていると感じました
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