本当は年明けから制作を始めようと思っていた「我が家の大きな特徴の一つ」有機肥料作り。遅くなりましたが2/20から開始しました。
このために1年、精米で出た米糠を桶で取り置きし続けました(^○^)
なぜ?自家米糠「だけ」なのか!
他の米糠の状態がわからないからです。
当家の近くでは「セルフ精米所」があり、米糠は廃棄物扱いなので、もらう事ができますが、多少病気にかかったお米や病原菌が付いているかもしれない(見た目ではわからないもの)お米を精米した可能性が無いとは言えません。
発酵の際に死滅するかもしれませんが、その辺りの知識が無いので、もし病原菌のある米糠を使って、病気にかかったら・・・と考えてしまい、状態がわかっている自家米糠だけ使って作っています。
作り方
取り置きの米糠を地元酒蔵「栗林酒造」の酒粕を水に浸けて溶けやすくした後に混ぜる機械に米糠を入れ、混ぜながら酒粕液を「にぎって固まり、軽く押せば崩れるくらいまで」加えていきます。この水分量が発酵に適切な水分量となります。
酒粕
酒粕液
今年は、この後に、籾殻燻炭を加えてみました。加えた理由はケイ酸分が欲しかった事と、散布のときに撒きやすくするためです。
※当家では撒く前に乾燥させないので、固まって撒きにくいので、籾殻薫炭を入れ撒きやすくなのか、実験ですf^_^;
完成後、厚めのビニール袋に入れて桶に入れ、密封します。(獣被害防止と保管管理しやすい)当家の発酵は密閉発酵方式です。
このまま冬季は3ヶ月ほど放置します。 が 本当は半年くらいは寝かせた方が良さそうです(・_・;
参考
以前調べた時は、「甘酸っぱい匂いがするくらい」がぼかし肥料として最適。
という情報を見たんですが、最近改めて調べたら「良い発酵状態のものは味噌の様な感じになる」と書いていて、衝撃を受けました(・_・;
「味噌の様な状態」には今年はもう間に合わないので来年挑戦します。
新品価格 |
なぜ、肥料を自分で作る様になったのか?とその後
ずいぶん前に秋田県で肥料会社が「化学肥料を有機肥料と嘘をついて販売していた」ことがありました。その事件を機に、「売り物を信用し過ぎる事はやめよう」と感じた事がきっかけです。(当家はこの企業と取引がなかったので直接被害はありませんでした)
その時、酒蔵で仕事をしていた時の知識から
・酒蔵では基本酒粕は余っている
・酒粕は酵母、乳酸、ミネラル、アミノ酸がとても豊富
・健康食としても肥料成分としても魅力がある
ということと
・酒米栽培をしている
・酒蔵と関係がある
・収めた酒米で作ったお酒の酒粕が手に入る
・行き場に困っている米糠がある。
という事があったので、上手く組み合わせる事はできないかと思いながらInternetの海をさまよって知識を集めていました。
結果
・酒粕肥料使用の「話」はあるけど、実施情報が無い
・米糠は田畑に直接撒くと虫被害の危険が増す。田畑で発酵が始まり作物に悪い場合がある
・酒粕は生のままでは扱いづらい。アルコール分が作物に良くない。田畑にまくと2回目の発酵が始まり作物に良くない。
という事でした。
そこで、検索中に見つけた「ぼかし肥料(発酵肥料)」の工程を「酒粕」を使って行ってはどうだろうと考えました。
※昔は上級酒の酒粕を使って下級酒を仕込む場合もあったと言う話も聞いてました。酒粕には乳酸、上質の酵母、麹菌が生きています。
上手くいけば、米糠がいい菌床となり米糠が発酵、肥料として使いやすくなるし、酒粕のアルコール分もかなり少なくなるし、米糠を菌床に酵母、麹、ミネラルを培養できます。
結果、しっかり発酵が起り、当時「良い状態」と書かれていた「甘酸っぱい香りのする物」が完成しました。
これを機に、本格的に自主有機物栽培化を目指し、以前働いていた農業法人で当時行き場に困っていた「選別で弾かれた選別落ち大豆」を譲ってもらい使用。そのまま田んぼに撒いています※大豆は田んぼの中で自然分解され後半の肥料分となると思われます。尚、分解過程で発酵ガスが出るので、作物に良くない場合があるので気をつけてください。当家ではこのガスを使って雑草抑制を行っていますが、当然稲自体にも影響はあります。
現在では当家の大豆の選別落ち物を使用しています。
ここで、動物性肥料もあたっ方がバランスが良さそうだと思い、発酵鶏糞も加えて見ました。発酵鶏糞の利点は、
・有機肥料の中では即効性がある
・価格が安い
・ペレット 状で扱いやすい
と言う利点と、市販品なので肥料分析値が表記されている事がありました。自己調達品は肥料として見た時「成分が解らない」ので、肥料設計が難しい問題があります、一つでも成分がわかる物があるとすごく楽ですf^_^;
あくまで構想、想像上の構成ですが、即効性の鶏糞、中間肥料の米糠発酵、後半期肥料の大豆と言う形にして見ました。現状この思い込みは大体あっているのではないかと感じています。
ここに2021年から自家製造した籾殻燻炭を肥料として加えました。籾殻燻炭は秋に田んぼに単独で散布しています
籾殻燻炭の利点
・50%以上のケイ酸肥
・分解が早い(生籾殻は分解が遅いし分解時に窒素が使われる)
・炭の殺菌性
・微生物の繁殖促進
・雑草種の心配がない
全てを合わせると次の様な循環図になります
結果的に、鶏糞以外の肥料が自己(地域)循環となり、鶏糞を含めても国内循環型農業となった形です。
今後は、ペレット 化をして作業性を良くしたり、他の作物にも使っていけたらなぁって思ってますが、まだまだ稲の肥料としても足りない状況なのでしばらく先ですねf^_^;
これからも、自己完結循環農業を試行錯誤して見ます。
追伸
この栽培方法で栽培している面積は当家の稲(お米)の自主販売米の「こだわり栽培」「坂長印米」のみです。そのほかのお米や野菜等は一般的な栽培となります。
決して「有機栽培を進めているわけせはありません」栽培は適材適所、栽培規模や形態で変わりますし、有機だから安全と言うわけでもないのでご注意ください。
読んでなんとなく気付いている方もいると思いますが、当家の栽培は科学的な結果はなく、予測と栽培した体感となっています。参考知識程度にお考えください。
すごいです。楽しみです。もし温野菜ドカ食い栽培なさるようなら 是非ともおしらせくださいませね。